MONIQUE(モニッキ)のお散歩日記

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zoom RSS 保存資料 藤田早苗氏のレクチャーから

<<   作成日時 : 2015/06/12 19:20   >>

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6/17に藤田さんをお迎えした勉強会で配られたレジュメを元に、これを私の言葉で書き直しています。シリーズで連投して行きます。

7/10、海渡さんはスイスのジュネーブに向け、人権条約の自由人権規約に違反する日本政府の現状を携えて国際会議に出席するため、お仲間と日本を発ちます。皆さんでこれを盛り上げ、氏の志の成就と旅路の安全を祈りたいと思います。


1. はじめに結論。

秘密保護法は一旦、白紙に戻して、現在の国際水準に即して作り直す事でしか、危険を逸回できないと思われる。

海外の民主国家の事例では、必ず「政府行政機関の行き過ぎ」や「情報部(謀報機関)のやり過ぎ」を指摘し、修正するための機関があり、そこに対して政府情報は開示する義務を負うのだ。しかし日本はどうだろうか。テーマも間違っており、開示手続きは保証されていない。

例えば、アメリカでは上院下院に〈情報特別委員会〉が置かれており、CIAや米軍の活動を人権人道に照らして監視している。ドイツでは〈議会監督委員会〉が、連邦情報局など情報機関に対して情報開示を求めたり、職員の事情聴取をしたりする権限を持っている。

しかし、制度の作り方によっては、国会は行政機関の統制の元に置かれ、最高機能性を奪われてしまう危険性すらある。実は、残念ながら、日本の秘密保護法における第三者機関のケースがこれに当たるのではないかと思われる。

勉強会を聞いたほんの一握りの人しか知らないかもしれないが、日本でこの度、出来た第三者機関というものの、殆どが総理大臣と行政の直下に置かれた内閣府に設置されている。かろうじて設置されている外部機関は御用学者を抱える専門家の名前が連なるが、この人達は政治家の参考人という立場しかなく、会議体を作って反対意見や違憲指摘をする事ができない機関である。これでは、彼らが情報開示請求をすることまずない、と考えて良い。

また、欧米で国会に設置されている監督機関は、「情報機関(CIA, FBI)の活動と予算に関する」監督機関が主であり、「秘密の指定&解除に関する」監視機関は設けられていない。それは、民主政治に於いて国会の中にその役割を作ることが非常に難しいと見られているからである。今回、日本はそれを設置してしまった。これは国会議員すら、秘密秘匿の義務を負う行政に取り込まれてしまう恐れのあることで、現在非常に危険視されているところ。

監視機関は行政内部にあろうとも、人員的・財政的な独立性の確保されたものを、独立性の確保できる場所に、作るべきである。ここで重要なことはその後の人事であるが、秘密を指定する機関に所属していた経歴の持ち主を排除することはできなくても、第三者機関からもう一度、秘密指定機関に戻るような人事があってはならないということ。現在の国会運営や行政指導者にはこのような倫理と危機管理意識が欠けているのが納得できない問題である。



2.アメリカの事例に学ぶこと。

アメリカの現在までの事例に学ぶことはゴマンとある。国会が情報機関に巻き込まれてしまうという事態は避け難いのである。実際に日本の国会の「第三者機関」が直面する事態を想定する際の参考として、以下のようなアメリカの事態がある。

(1) 政府による、メール傍受、盗聴システムの稼働など違法なプログラムの実施

9.11以降、ブッシュ政権が、いかに違法な盗聴を行っていたかを示すNSAのレポートがある。これによると、政府はコードネーム「ステラウインド」という盗聴プログラムを用いて、何百万人もの国民の交信内容やメタデータを許可なく収集していたことがわかっている。

(2)裁判所による、政府の違法なプログラム実施への協力。

プロバイダや電話会社などが政府による違法な要求(個人情報開示)について、躊躇なくこれに応えることを訴訟リスクがあると考え、「政府からの強制」を形として残すため、「裁判所命令」という形を取ってくれと政府に要請。

これを受けて、司法省とNSAが三権分立を退けて合議し、根拠を無理矢理捏造(製造)し、テロ捜査と関連しているという理屈で、(内々に)決定を下し、 政府への大量の通話記録を開示するように、との裁判所命令を下すことに成功。文字通り、国民に無許可で通話情報を開示させた事件がありました。

人権先進国のアメリカであっても、このように行政府による違法な情報収集、議会内の秘密裁判所がこれを助長させるような決定を下すなど、なし崩し的に「タガが外れたような」アンモラルな状況が生じている。

議論討論の習慣が弱い日本であれば尚更である。制度的な安全措置を作らなければ、国会が情報機関に巻き込まれてしまうという事態は避け難い。国会すらも監視機関として機能しなくなるのも、目に見えている。



3.独立した監視機関とはどういったものか。

この国が現代の「民主主義国家」であり中世の独裁国家ではないのであれば〈政府が秘密指定の基準を作成し〉〈秘密を適切に指定し〉〈指定の解除を適切に行い〉〈秘密文書を確実に保管し〉〈最終的に市民に公開するための法制度を持つ〉ことを構想するならば、どうしても正しく機能する《行政から独立した第三者機関》が必要になる。

今の政府の説明する第三者機関という名の、部下の残業グループというのは、部外者も会議体が制定されていないため、全く第三者として機能しません。

最低限第三者機関として留意されなくてはならない点はどういった点なのか、「立法者のための国際ガイドライン」としてよく議論された《ツワネ原則》を参照すべきである。この原則に沿って仕事をすれば、このような結果にはならない。ツワネ原則に従って法整備すれば、必ず安全保障と市民の知る権利を両立できるように調整できるはずだ。

先日、来日された米国の安全保障高官であったモートン・ハルベリン氏も、この原則の作成者に加わっており、数年かけて議論を重ねられた。氏曰く、同盟国の民主主義国家の中で、この日本の秘密保護法ほど、最悪の内容とレベル低いの法律は世界に類を見ない、とのことであり、策謀者は米国や民主主義に造反する者達であると考えられる。

立法者のためのツワネ原則には、市民の知る権利を確保しながら、独立した監視機関の作り方のガイドラインが詳細に規定されているので、以下に手短にご紹介する。

国際人権規約を元にして二年以上の時間を費やして作られた「ツワネ原則」
第5章

〔原則31 〕
監視機関は、監視対象機関からは組織・運営・財政の面で独立しているべきである。監視項目には、規則・指針・財務・管理運営・そして機関の活動内容、が含まれる。国家がいまだ、安全保障部門の組織を監視するための独立監視機関を持っていないならば、速やかにこれを設置すべきである。

〔原則32〕
当該独立監視機関は、責務を遂行するために、すべての情報にアクセスできることを法律で保障されるべきである。条件さえ満たしていれば、アクセスに制限を設けるべきではない。 ((安全保障部門の機関が保有する全ての記録、テクノロジー、システム、その所在場所、備品、施設及び設備、監視職務に関わりがあると判断される個人が保有する情報。等)) また、公務員が監視機関へ情報を提供することを妨げるべきではない。守秘義務や契約の違反と見做されるべきではない。

〔原則33〕
当該独立監視機関は、責務を遂行する上で必要と見做される、あらゆる関連情報にアクセスし解釈できるために十分な法的権限を有するべきである。詳細は下記に記す。
◎安全保障部門の公務員は勿論、公権力の被雇用者及び契約業者にも質問でき、 関連記録を要求・検査し、所在場所と施設を視察できるようにする。
◎法執行機関による十分な協力の元、情報を保有していると判断された人物に対し、召喚し、記録を取り寄せ、証言をさせる権限を与えられるべきである。
◎但し、情報の処理の際と、証言を強制する際には、プライバシーに関する法律を考慮に入れ、自己負罪に対する保護やその他適正な法の手続きを考慮する必要がある。
◎この独立監視機関は、責務を全うするために必要な財的・技術的・人的資源を得られるようにされるべきである。
◎安全保障部門の組織による協力を義務付けるべきである。
◎法がサポートして、この独立監視機関が安全保障部門の組織に対して必要な特定の情報開示をさせることを義務付けるべきである。たとえ安全保障機関が〈法や人権基準への違反をしていた可能性〉があってもそれを含み、それに限定されない必要な情報を開示させるよう計らうべきである。

〔原則34〕
独立監視機関自身、その透明性に努め、定期的な報告書の作成を行わなければならない。

上記のような国際基準に照らして、日本で作られようとしている「第三者機関」とされる組織を、一つ一つ検討する必要があるのだ。日本の秘密保護法は隠蔽と威嚇を動機にして作られているかのごとく、このような面に対する配慮が全くと言っていいほど見受けられない。

独立監視機関の設置に関する条件は、〈監視される対象機関〉から、組織・運営・財政の面で『完全に独立させる』ことが第一条件。そして〈監視される対象機関〉の保有している情報に対する完全なアクセス権限が認められることが第二。また、尋問の必要に際し、法執行機関や安全保障機関からも、協力が得られなくてはならないことが第三です。



4. 秘密の提出、提出要求の〔要件〕が不明確である。

今回可決された国会法の改正案の中で、審査会に8人の委員のうち、どれだけの賛成があれば特定秘密の提出や提示要求ができるのか、明確になっていない。

仮に、過半数の賛成がなければ要求できないとなると、所属議員の数に応じて会派でメンバーを割り振られるのであれば、結局は行政を司る与党の思うがままになる。このよう議院内閣制の中では、審査会は概ね機能不全にな事態が予測される。

これを解決するには、例えば、複数の委員が要求すれば、政府に提出・提示を要求できるようにして、審査会の政府からの独立性を確保するべきと考える。



5. 政府に秘密の不提出を認める〔例外要件〕が曖昧過ぎる。

同法律案102条の15では、「特定秘密の提出が、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがある」と、内閣が声明をだしさえすれば、第三者機関?としての情報審査会からの情報開示請求を拒むことができる。

これは秘密保護法の10条の問題が、特別委員会の審議段階から生返事のままで、全く解決・払拭できていないことを意味するものである。

『安全保障に著しい支障を及ぼす』という例外要件は、極めて抽象的でいかようにも解釈可能であり、追求不可能である。

このままでは、行政機関の恣意的な判断であっても、当審査会が特定秘密の提出を受けられないことになり、十分な監視はとても期待できるものではない。



6. 議事録の非公開期間に特に定めがない。

当審査会の会議が非公開で行われ、議事録も非公開にしなければならないものが存在することについては止むを得ないとしても、一応は議事録の非公開期間制限期日や秘密解除手続きを設けるべきである。

現存する公文書管理法であるが、立法府の保管する文書についての適応がないのが実際のところであり、ここも法律の穴(バックドア)ではないだろうか。

議事録が永遠に絶対に国民の目の届かないところに置かれるというのは避けなければならない。そのためには、当審査会の議事録についても、非公開期間の制定や、非公開解除手続きを明文化しておく必要がある。



7.内部告発を受けられる仕組みが不十分である

公益通報制度は、安全保障や外交に関する分野も例外としていないのは良いが、行政機関内部の公益通報に限定されているのが現状だ。

従って国会に情報監視審査会が設けられていても、公務員や国会議員が公益通報制度を利用することはできず、通報は特定秘密保護法上の「秘密の漏えいに当たる」とされてしまう。国会にも公式な公益通報の窓口が設けられていなければ、当該者は逮捕監禁などの大変なリスクを背負うことになる。

この国会法にも、公益通報を法的かつ安全に受け付ける仕組みが設けられていない。秘密保護法自体が公正さを欠き、「逮捕の可能性」という行政側の「威嚇」を目的にしている法律だけに、全く公正な政治を目指す姿とそのための配慮が見られないのである。

特定秘密の指定につい問題があると公務員が考えた時には、法的に安全に国家に通報できる根拠を作る必要がある。これはむしろ、このような機関を作る以上、常識的に考えて必須の措置である。


8. 議員の懲罰規定が不確定である

提供された秘密情報を国会議員が、国会の外で漏らした時は、秘密法により最高5年の懲役になる。国会の中、例えば本会議にて特定秘密に触れた場合の懲罰規定はこれから検討することになっている。

自由な議論が封じられ、戦争へと突き進んで行った歴史の反省にたち、憲法51条の定めでは次のように、激しい議論をする議員の立場を保障している。

「議員は、議院でおこなった演説、討論、又は表決について、院外で責任を問われない」

国会議員が〈特定秘密の指定が不当である、又は違憲である〉と考え、国民に向けて特定秘密をあえて公表する場合もあり得るはずなのだ。これを前以て封じると言うのは、主権者をおろそかにした暴挙であり、立憲政治、民主政治の根幹に関わる。議員に対する懲罰は、そもそもの民主主義を否定するものであってはならない。欧米諸国の例をさんこうに、ツワネ原則の中で制度設計をして欲しい。



9.審議が拙速であり、国民の理解が全く得られていない。

情報監視審査会は、権力の濫用による不適切な特定秘密の指定を防ぐための「主権者による監視」目的に創設されるものである。この監視のあり方は、民主主義における重大なる「国民の知る権利」に関わる問題であり、このあり方が我が国の最高法規である憲法の著す国民主権を証明すると言っても過言ではない。

にも関わらず、自民党・公明党は、市民から広く意見を聞く手続きもないまま本法律案を国会に提出した。法制局のストッパーも無いに等しくしかも衆議院に審議入りした僅か二日後に議院運営委員会で、大まかな主旨(大義名分)のみ与党都合で述べるばかりで議論を避け、細かな説明のないまま採決された。この日の本会議で可決され、委員会での審議は僅か7時間であった。

良識の府、参議院に於いては更に短い時間で議員運営委員会を通過する。反対議員・質疑をする委員は実質進行上、無視された形の応答に抹殺され、速記が何度も止められるという、委員長の采配も含めた「嫌がらせ付き」の強行採決であった。こういった強行採決の手法には、本来日本人にはない、あらかたの、反対意見を無視するためのマニュアルさえあるように思える。



10. 独立した監視機関を求めて

政府の秘密指定を適切にコントロールするためには、今、提言されている役割をすべて統合し、ツワネ原則に定められたような独立性を持つ、比較的大きな機関の設立を目指すべきである。

今回は大まかに法律の主旨が説明されただけで、草案となっているものと目指すものが既に食い違っていただけでなく、大臣の答弁も審議官の答弁も実を得ず、各委員の厳しい追求にも役人達はシラを切り続け、大臣命令の情報開示にも黒塗りの書面で持って応えた。

立案者・推進者たちは、法律可決後に、調査と称して海外の謀報機関などを国会議員に見せて廻ったが、これも矛先を逸らす話であり、秘密警察や特高警察を肯定させたいがための買収ツアーだったと言えるのではないだろうか。

安全保障のためと言いながら、すべての省庁の長に権限を与え、私達は自分たちの暮らしのために、判断や指針や表現のために、正しく情報を選ぶことができなくなりつつある。

アメリカの一部(軍事複合体を持つ新自由主義の思想の外交指導者達)から秘密保護における措置の進歩を課せられたとは言え、それは新自由主義の悪事を日本の政治に浸透させる為だったのかもしれない。法律内容は本当に悪い人間が全てを煙に巻くためのバックドアだらけであり、存在意義が、そもそも問われるものである。

アメリカの正統筋によると、日米の関係は、MDA法、GSOMIA、現在の日本の自衛隊法、公務員法で護られるところであり、このような非民主的な法律を同盟国である民主国家に依頼する、という妥当性は何処にも見当たらないということである。

現在の、目的が不明瞭である特別秘密保護法は、即刻廃案としなければならない。改めて安全保障問題としての秘密方を組み直すのであれば、世界の標準「ツワネ原則」の中で作成され、「市民の知る権利」を強く保障するようにしなくてはならない。

そして既存の国家公務員法や情報公開法、公文書管理法などを含めて政府の情報管理体制を《根本から》見直すことが必要であると言える。








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